小さな箱に入ってしまった義母を、無事、義父のもとに送りとどけてきた。
きれいな日本海が見渡せるところだ。
毎日きれいな夕日が見えるよ。
青緑の屋根の向こうに墓地がある。
先に眠る義父の墓参りに行くときのコース、晴れてるとこんなに海が美しい。
法事が終わって、控えの間でお茶を飲んでいたら、目に飛び込む美しい緑。
今まで気づかなかった。
お天気が良かったからなのね。
ガラス戸の向こうの樹木が写って、きれいなグラデーションを作っている。
こんなガラス、初めて見た。
お寺にはちょっと場違いなステンドグラスの向こう。
障子にはめ込まれている。
すばらしい技術に吸い寄せられてしまった。
美しいものが好きだった義母も、これで退屈しないことと思う。
故郷の街散歩もなかなか良い。
いつも寄る呉服屋さんでみつけたシナ布。
この店には、シナ布やブドウ蔓のバッグが呉服より全面に配置されていて、つい足が向いてしまう。
木の皮そのものを細く剥いだものを緯糸にしている。
92歳の方の最後の作品だという。
よく見るシナ布とは違う荒削りなパワーに魅せられて購入。
93歳の義母をみおくり、92歳の作品を持ち帰ってしまった。